今年も今日・明日で終わりとなりました。
あんまり年の瀬という実感がない、今日この頃です。
それでは個人的年間ベスト第2位の紹介です。
・第2位『双頭の悪魔』 / 有栖川有栖
以前の記事にも書きましたが、推理小説を色々読もうと思い立って最初の方からずっと読みたいと思っていた作品です。
これが読みたく悲劇四部作も読みましたし、学生アリスシリーズも1から読みました。
そういう意味でも思い入れの強い作品です。
ただ、敢えて間を空けて『双頭の悪魔』以降の作品はまだ読んでいません。
学生アリスシリーズ自体好きな作品ばかりですが、特に『月光ゲーム』と『双頭の悪魔』は特に好きな作品でした。
それでも『双頭の悪魔』を選んだのは『獄門島』と同じ理由で、後にまでずっと残るインパクトを与えてくれたのはこっちだったからです。
学生アリスシリーズはどれも印象的でよく覚えている作品ですけど、この『双頭の悪魔』に関しては作品の中に詰まっている「空気」や「雰囲気」みたいなものまで呼び起こされる感覚があります。
更に、『月光ゲーム』だってあのゾクゾクとする感じが忘れられないですけど、この『双頭の悪魔』は物語としての面白さ、秀逸なトリック、3回もある「読者への挑戦」と全てが完璧といっても良いほどに揃って嚙み合っている気がします。
ただ、自分が一番好きなのはこの作品の「雰囲気」ですね。
閉じ込められた村で起こる殺人とそこに残った人々がもたらす不穏な空気、一方で名探偵・江神を欠いた村の方でも起きる殺人事件へと挑むアリスたちのハラハラ感。
それぞれの村で似て非なる雰囲気が交互に味わえるのが、何とも絶妙で好きです。
そして、やっぱりこのトリックに辿り着けたなかった悔しさと「やられた!」感が忘れられません。
これぞ推理小説って感じがして、本当に好きな作品です。
あと、この作品って結構長いんですよね。
でも、そんな長さを感じさせないくらい面白かったです。
本当に面白い作品は長さなんか関係ないですよね。
ということで、第2位は『双頭の悪魔』でした。
明日の大晦日は第1位の発表をしたいと思います。
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*1:ここに脚注を書きます