1年前くらいにこのブログを始めて以降、初めての赤川次郎さんの作品紹介になると思います。
自分のハンドルネームは赤川次郎さんからもじった物です。
でも読むのは『マリオネットの罠』以来だからかなり久々です。
実はこの『ひまつぶしの殺人』ってもう2年前くらいからずっと読みたいと思ってた作品なんですよね。
書店で見かけたら絶対に買おうと決めていたものの、なかなか書店では巡り合えず諦めていました。
ところがなんと、昨年の11月に新装版が出てるではありませんか。
気付いたのは先月のことで、これはラッキー!と思いました。
読んだ感想ですが、一応「長編推理小説」と銘打ってありますが、うーん・・・どうなんだろう。
推理する楽しみはあまり味わえないと思います。
正直、犯人に関してはとある会話から確信は出来ない者の「こういう話するってことは、こいつが犯人じゃ・・・?」と直感出来てしまうと思います。
結果は案の定正解でした。
ただ、推理する部分は楽しめなくても小説としてはまぁまぁ楽しめるのではないかと思います。
自分がジャンル付けするなら「ドタバタ・ファミリー・ミステリー」って感じですかね。
まぁ個性的な一家の早川家がそれぞれ異なった目的を持ってとある人物が宿泊するホテルに集結することになります。
ただし、早川家の面々は1人を除いて他のメンツがホテルに揃っていることなど知りません。
そんななか、殺人事件が起こり展示予定だったダイヤの盗難事件が起こり、ホテル側では自称探偵を称する人物が色々嗅ぎまわり、早川家は虎視眈々とそれぞれの目的を果たそうとします。
とにかく最初から最後までドタバタしてます。
そのドタバタに生じて事件がさりげなく起こり、中盤以降は目まぐるしく物語が動いていくので、そこはグイグイ読み進められました。
赤川次郎さんの本で性描写が出てこない本は無いんじゃないかっていう程よく出てくると思うんですが、本作もそうです。
それが許容出来ればお子様にもオススメできそう。
本作は三毛猫ホームズや三姉妹探偵団ほどでは無いにしろ、続編が出ているシリーズ物らしいです。
といっても三毛猫ホームズは何冊か読みましたが、三姉妹探偵団は最初の一巻しか読んでませんが・・・。
この早川家シリーズの次作が読みたいか、と聞かれると正直微妙なところです。
今作みたいに新装版がもし出れば、考えてみたいと思います。
余談ですが、本作も最後にちょっとした?どんでん返しが起こりますが、それを知ってから振り返るとはっきり言って気持ち悪い描写が出てきます。
この感覚は『葉桜の季節に君を想うということ』(歌野晶午・著)を読んだ時と少し似ている気がします。
総じての感想ですが、本格ミステリーとは言えないと思いますが、赤川次郎さんの作品が好きな方は読んでおいて損はないと思います。
『ひまつぶしの殺人』
★★(★)☆☆ / (2.5点)