この作品、いつかのアメトークでの「本屋で読書芸人」で紹介されていて覚えていました。
同じ回で塩野武士さんの『罪の声』が紹介されており、それが一番興味があった作品でした。
(ちなみに『罪の声』は以前やっていた別のブログで記事を書いています。)
さて本作ですが、覚えてはいたもののさして興味があった訳でもありませんでした。
ただそれでも手を取ったのはやたらとどんでん返しに驚愕する旨が書かれた帯と本の薄さでした。
これならサッと読めて丁度良いかも、くらいの感じで購入しました。
Facebookで昔の恋人にメッセージを送るところから物語は始まります。
やがて相手からも返信が来て昔話に花が咲く訳ですが、途中から何か違和感を覚えます。
男性側と女性側の温度差、主観的な感情のすれ違い、そもそもの価値観の違い等々。
しかし、それらは前振りに過ぎず、確かに驚愕的な事実が最後の最後で明かされます。
ただ、その驚愕的な事実にもちゃんと前振りはあって、それはさり気なく述べられている上にその点に触れずに会話が進行していくため気づきにくいだけです。
それでもこの展開は驚きでした。
ただ、これが面白いのかと聞かれると「うーん・・・」と黙ってしまいます。
ラスト1文を読者に読ませるためのながーい前振りを読まされていたという空回りした気分しか残らず、個人的には微妙でした。
ネットで話題になった、という宣伝文句が先行し過ぎている気がします。
本の帯も実際の読者の声なのかも知れないですが、個人的には誇大広告だと思ってしまいます。
まぁアメトークの影響も大きいかも知れないですね。
まぁこういう本もあるよね、くらいの軽い感じで読めればそれが良いのではないでしょうか。
薄くて読み易いのは良かったです。
ちなみに、「ルビンの壺」と聞くと大好きだった『探偵学園Q』という漫画を思い出します。
『ルビンの壺が割れた』
★★☆☆☆ / (2点)