7/8(金)全国公開『神々の山嶺』本予告 - YouTube
記事に残したい事が幾つかあるんですが、書けてません。
という訳で時系列的には最新の物から書くことにします。
原作小説は5年くらい前に読んでますが、原作漫画は未読です。
漫画の方もいつか読みたいと思いつつも、なかなか手が出せずにいます。
でも、この映画を観てやっぱり漫画も読みたいと強く思いました。
飽くまでも個人的な感想ですが、原作は物凄く面白い!という訳ではないです。
ただ物語の重厚感とインパクトは絶大な物があると思っています。
自分も趣味でトレッキングはやりますが、この映画に出てくるような本格的な登山は未経験ですしやりたいとも思っていません。
飽くまでも自分の足だけでも登頂可能な山しか行ってないですし、今後もそれは変わりません。
でも、作品に詰めこまれている「山の魅力」というのは憧れの対象になることは否定出来ません。
「何故山を登るのか?」という問いにジョージ・マロリーが「そこに山があるからだ。」と答えたのは有名なエピソードですが(実際は翻訳が間違っていたとか)、本山の主人公の1人である羽生の視点からすれば、その答えもまた違うように考えています。
この映画を観て、それは確信に変わった気がします。
羽生は言います。
「何故山に登るのか。俺にも分からない。だが、分からなくても生きることは出来る。」
この羽生の言葉と山を登る描写に自分は答えを見出だしました。
端から見れば「ロマン」なんて言葉で済みそうですが、自分の考えた答えはもっと切実なものです。
そしてそんな切実な理由に憧れを抱いてしまうという矛盾に戸惑いつつも、自分の感情には答えが出ないまま5年も経ってしまった感じです。
エベレストに纏わる話は以前から非常に興味があって、色々な記事を読み漁った時期もあります。
本も例えばジョン・クラカワーやアナトリの書いたものはいつか絶対読みたいと思いつつもまだ読めてません。
自分が学生くらいだったらこのまま植村直己さんの本も片っ端から読んだでしょうが、山に興味を持ったのは社会人になってからでした。
エベレストの話は一旦置いておいて、本作の話に戻ります。
原作では男女のロマンスの話が出てきますが、本作では一切出てきません。
自分はそちらの方が本筋に集中出来て良かったと思っていますが、否定的な意見も見受けられました。
また原作の羽生は割りと嫌な奴な印象でしたが、本作ではそういう描写はあるものの抑えられていると感じます。
この点も個人的には好印象です。
ただそれはエピソードを幾つか削った結果だと思うので、ここも否定的な意見が見られました。
特にラストは非常にあっさりしていて、自分はこちらの方がリアリティがあるので映画としてはこれで良いのではと思っています。
ただこれらの否定的な意見も理解出来ます。
自分が物足りなく感じてしまったのは、ライバルの長谷の描写です。
原作では羽生がネパールに行ってから長谷と邂逅する場面があり、更に長谷のエベレスト南西壁の挑戦がどういう結末だったかを詳しく書いていますが、本作ではこの部分も非常にあっさりしています。
ここは山の過酷さと非常さ、そしてそれでも山に挑み続けるという事を伝える為には非常に重要なシーンだったと思うので、カットしないで欲しかったです。
あと細かいですが、昭和の東京の再現が好きでした。
新橋あたりは面影が今もありますね。
全体的には非常に良い映画だったと思います。
映画としてカットしなければならない取捨選択が上手な印象です。
ただ山の過酷さと実力以外の力が物を言う不条理さは薄かったかなという感じがします。
それでも十分面白かったです。
ちなみにこの作品の原作を読んだ時はミステリー小説として読んだつもりは全く無かったのですが、読了後に何かのミステリーランキングに原作がランクインしていて意外だったのを覚えています。
やっぱりミステリーって幅広いですね。
それでいくと原作は歴史ミステリーあるいは冒険ミステリーという事になるのかな。
まぁ確かにロマンがありますね。
作者の夢枕獏は文庫版のあとがきで
永遠の謎の方がヒマラヤ登山史としては豊穣であろう
と述べていますが、それは確かにそうですよね。
結局答えなんて出ない方が面白い事も世の中沢山あるのでしょう。
いやーしかし、やっぱりエベレストに纏わる話は心揺さぶられます。
本作を見て原作漫画は勿論ですが、色々とエベレストの本も読みたくなりました。
そういう意味でも観賞して良かった作品です。
余談ですが、昨日は午前中に本作を観て、レイトショーで3回目の『シン・ウルトラマン』を観るという久々のダブルヘッダーでした。
映画の感想は記事にしたりしなかったりですが、『神々の山領』は残したかったので。
『シン・ウルトラマン』は本編終了後の「さらばウルトラマン」の回がどうしても観たくて…。
これまた余談ですが、「さらばウルトラマン」の回を観るとゲームセンターCXでスーパーファミコン版の「ウルトラマン」に挑戦した有野課長が苦労してたどり着いたエンディング手前の最後の最後でペンシル弾を外してしまいうなだれる場面を思い出してしまいます(笑)
あのゲーム自分も子供の頃にやってましたけど、プルトンが強すぎてなかなかゼットンまでいかなかった記憶があります。
最後は完全に余談ですが、自分のメモリーとして残させて下さいm(__)m