アガサ次郎の推理日記

推理小説好き(初心者)です。主に読んだ本の感想を書き込んでいきます。

映画『フィッシュストーリー』


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伊坂幸太郎原作の映画です。

リバイバル上映です。

原作は未読ですが、恐らく原作と内容が結構異なるのではないでしょうか。

 

映画自体は自分も過去に観た事があったのですが、リバイバル上映するなら久々に観たいなと思って観に行きました。

ラストの展開は勿論覚えていたのですが、細部はどこまで記憶に残っているかなぁと思っていたら、意外と結構覚えていることが多くて驚きました。

 

今回観直して改めて思った事を箇条書きにします。

・晴子のあの後が気になる

・滝藤賢一が出ていた事に全く気付いていなかった。というか当時滝藤賢一を知らなかった。

・同じく当時江口のり子を知らなかった。改めて観たら役が似合ってるし綺麗だった。

・当時から好きだった多部未華子が、やっぱり今観ても好きだった。

・フィッシュストーリーの出版社が可哀想。

・伊藤淳史の格好良さに当時気づいていなかったが、リバイバル上映で観たらメチャクチャ良かった。

・高良健吾は当時からメチャクチャ格好良いと思っていたが、今観てもやっぱりメチャクチャ格好良かった。歌もすごく良い。曲も良い。

・渋川清彦の役幅の広さに脱帽。この役はメッチャ良くて一番好きなキャラだった。

・よくもまあ、こんなメチャクチャな話を書いたなと。伊坂幸太郎作品はまだ全然読んだ事が無いが、ちょっと興味がわいた。

 

ということで、感想が上手くまとめられそうになかったので箇条書きにしてしまいました。

この作品もミステリーという括りですが、ちょっとしたどんでん返しが起こるだけで推理ものではないです。

ただお話としては面白かったです。

 


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『厭魅の如き憑くもの』 / 三津田信三

 

 

このシリーズもいずれ読みたいと思っていました。

お盆だし、こういうホラー物にトライするには丁度良いかと思って読んでみました。

しかし、なんとも感想が難しい作品です。

 

自分はそもそもホラーというジャンルに明るくなく、苦手とかそういうことではなくそもそもよく知らないんですね。

ホラー関連でいえばホラーゲームのプレイ動画を観るのは好きですが、自分でプレイしたことは殆どありません。

また映画やドラマも観たことがなく、そもそも自分はホラーが苦手なのか好きなのかさえよく分かりません。

ただ、日本のホラーといえば民俗ものが定番なのかなというのは何となくの理解としてあるんですね。

そして、これはあとがきにも書いてありましたが、この手の民俗風潮とミステリーを掛け合わせたもので思い浮かぶのは、やっぱり金田一耕助なんですね。

自分もそれなりに金田一耕助シリーズを読んできましたが、全部が全部そういう作品ではないですが、やっぱり家系図とか村とかっていう要素からどうしても連想してしまいます。

それに加え、序盤に「紗霧がこのとき叉霧に(この物語では何人もの『サギリ』という呼称が出てきます)この事を伝えていれば後に起こる悲劇は防げたかも知れない・・・」という描写がありますが、これも事前に金田一を読んでいた自分には既視感があります。

まさに『犬神家の一族』や『悪魔の手毬歌』で読んだ光景です。

 

という前置きはさておいて・・・。

作者曰く「最後まで読まないとミステリーなのかホラーなのか分からない作品」を目指したということですが、最後まで読んでもミステリーなのかホラーなのか判別ができません。

いや、きっと両方なんでしょう。

これを本格推理小説と言ってしまうことには抵抗がありますが、ミステリーであったことは間違いありません。

「神隠し村」という表現から漫画『探偵学園Q』を思い出しますが、あまり関連性はありません。

 

もう色々すっ飛ばしていきなり解決編の話から書いてしまいますが、この解決編はかなり新鮮でした。

と言うのも、探偵役の刀城言耶が名探偵コナンの毛利小五郎ばりに次々と誤った犯人を指摘していくからです。

最初は自分も、自分なりに犯人を推理していて、その人物の名前が挙がった時には「やっぱり!」とか思ったのですが、結局違いました。

その推理を聞かされる一同の中には呆れてしまう者も居ましたが、こうなると当然でしょう。

ただこれ、振り返ってみると実は作者の巧みなミスリードがだったんだなと言うことに気が付きました。

思い返してみると幾つも罠は仕掛けられていました。

確かに刀城言耶は誤った犯人を次々と指摘していきますが、そのどれもがあながち的外れとも言えないギリギリの推理の上で成り立っています。

勿論、決定的なファクターがないのは問題なのかも知れませんが、ただ幾重にも張り巡らされた<罠>が、その誤った推理にも妙な信憑性を持たせてくれて、結果自分も見事に引っかかっていました。

そして最後の最後に導き出された答えは・・・。

ここは若干自分の中ではトーンダウンしてしまったのは否めません。

この後の流れは綾辻行人の某作品と似ています。

ただ、その最後の「オチ」を含めて、巧みな文章力でリードした作者の筆力には脱帽です。

 

それからホラー面で言うと、結果的に大体のことには論理的な解答導き出されます。

しかし全部ではありません。

読了後も「あれは一体なんだったんだ・・・?」という疑問が残ります。

そういった超常現象的な事象に答えをあえて出さない、というのが本作の立ち位置なんだと思います。

それはそれで良いと思いますし、十分ホラー風味は堪能させてもらいました。

ただおそらく、ホラー好きの人からするとちょっと物足りないのでは・・・とも思わなくもないです。

自分が想起していたのはゲーム『SIREN』です。

結構似ているなぁと思うところがありました。

もしかしたら、このシリーズではずっと感じることなのかも知れませんが・・・。

 

真犯人についてですが、この方は自分を○○だと思い込んでいた、とありますがそんなことあり得るんでしょうか。

だって普通の生活をしていた訳ですよね。

よっぽど強い洗脳だったんでしょうね。

そこは疑問でした。

あとの部分に関しては「はいはい」と流せるくらいの感じで、芯を喰った衝撃は味わえませんでした。

 

全体的にまとめると、面白いかと聞かれれば「うーん・・・」という感じですし、じゃあつまらなかったのかと聞かれれば「そんなことはない」という、何とも歯切れの悪い感想になってしまいます。

とにかく、起承転結の「起」の部分が長いですし、全体通しても長さを感じてしまいます。

かと言って、後半が面白くてページが進む進む・・・ということもなかったですし。

なんというか、シリーズの入門編としてはこんなものなのかなと割り切って読めば、それなりに楽しめる作品だとは思います。

 

最後にもう一つ疑問が。

この事件自体が様々な要因が複雑に絡み合って成り立っているように見えて、実は物凄くシンプルな構図だったと自分は考えています。

なので、本筋の部分にはそれほど関係ないのかも知れませんが、自分が気になるのは神櫛家に君臨する荼夜の権力です。

家系図を見ても「遠戚より嫁入り」と書かれていますが、にしては強力すぎる権力を持っているように見えます。

嫁ぎ先が大きな家柄であれば、そういうことは多少理解出来ますが、ここまでのものなんでしょうか。

家柄のために今では無茶苦茶としか思えないようなあれやこれを指示していたようですが、「うるせえんだよ余所者が!」とかはやっぱり流石にならないんですね。

でもそう考えると、性格に難はありそうですがやっぱり千寿子は不憫でなりませんね。

昔はこれがある程度普通だったんでしょうが。

 

ということで、このシリーズはこのまま読み進めていくつもりです。

あとがきによると次作は本格寄りということですが、どんなものでしょうか。

正直、あまり間を空けすぎると停滞してしまう気がするので、次作に関してはあまり間を空けずに読むつもりです。

そして、本当に楽しみにしているのは更にその次の作品となります。

 

 

『クライマーズ・ハイ』 / 横山秀夫

 

毎年夏になると読まなきゃなぁと思いながらも、ずっと先送りにしてしまっていた作品です。

元々は映画の方が気になっていた作品でありましたが、結局映画も観ていません。

そして第一回本屋大賞の第2位となった作品でもあります。

 

おそらくご存じかとは思いますが、日航機墜落事故を題材にした新聞記者の物語となっています。

ただ、これは自分の勘違い以外の何物でもないのですが、想像していたものと内容は異なっていました。

自分の想像では、もっと事故自体にフォーカスを当てたドキュメンタリー風の小説なのかと思っていたのですが、実際には事故の様相に触れた要素は少なく(飽くまで自分の感じ方としてです)、事故当時の新聞記者たちの葛藤と熱、そして苦悩と挫折と野望を上手に滲ませた社会派小説でした。

あとがきで自分は知ったことなのですが、作者の横山秀夫自身が上毛新聞社で12年間勤務していた経歴があり、実際にこの事故があった時の様相をモチーフにしているようですね。

つまり、この事故を題材にした小説を書くのに横山秀夫以上の適任はいなかったということです。

そのため、事故自体のことはともかくとして、新聞社で巻き起こる目まぐるしい業務のリアルさが熱量を生み、自然と物語に入り込めるようになっています。

ただし、勿論苦悩の連続であることは言うまでもありません。

 

面白いのは間違いないのですが、正直な話期待値を超えてこなかったです。

これはそもそも私の勘違いと勝手な思い込みのせいであることになってしまうのですが、やはり事故自体の話が薄すぎたと感じました。

自分がかつて羽田の旧整備地区にあった「安全啓発センター」に見学に行ったこともあり、その体験を元にこの事故の事を活字で再認識したいという思いが強かったため、その側面では期待外れに終わってしまったことを勝手に残念に感じているだけなんですけどね。

ただあの見学は10年以上経った今も強烈に印象に残った体験で、「もうお帰りください」という雰囲気が出るまでその場を去れなかった程です。

墜落する機内で、必死に遺言を残した数々のメモ・・・文字だって相当読みにくくなっていますが、もはやそんなこと問題ではありません。

自分が同じ立場にもしなったとして、きっと顎をガタガタ震わせ、止めどなく涙を流し続け、普段信じもしない神様に「助けて」と祈るのが関の山でしょう。

でも、乗客の一部はそんな状況でも言葉を残し、そして実際にそのメッセージがこうして今も残り続けている・・・。

その事実は、とても言葉では表すことのできない強烈な印象を自分に与え続けています。

昨日で事故から41年が経ちました。

お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。

 

小説の内容に話を戻します。

日航機の事は一旦脇に置かせてもらいますが、自分はどうも物語の展開がチグハグに感じてしまいました。

確かに新聞社での派閥争いや上下関係、決断の連続とそれぞれの思惑というリアルさは息を飲む展開で引き込まれたのは間違いないのですが、そこに家族の話やら主人公の思いやらが絡んできたときに、自分の中ではちょっと気持ちがフワついてしまいました。

書きたいことも、言いたいことも良くわかるんですが、先に『64』を読んでしまったのが良くなかったのかも知れません。

『64』は理想と現実のギャップが丁度良い感じに着地した結末を迎えられたことに対して、本作は理想も現実もチグハグな印象がどうしても拭えないのです。

主人公の矜持も、人としての在り方・新聞社としての在り方も最後に答えが出るものの、何かスッキリしません。

それもこれも、はっきり言ってしまいますがこの「悠木」という中途半端なキャラクターにあるのではないかと、自分は思っています。

だからこそリアルだ、と言われれば、それはそうなのかも知れませんが・・・。

『64』ほどの<核>を私は見出せませんでした。

これは私の想像力不足なのかも知れません。

自分が生まれる前の出来事でもあり、実際にどのように報道がなされていたのかを知らないというのも影響しているのかも知れません。

同じく新聞社での勤務経験のある塩田武士の『騙し絵の牙』の方が自分には分かりやすかったです。(あれは新聞社ではなく出版社の話ですけどね)

 

ということで、面白いのは間違いないのですが期待値以上の作品ではなかったというのが正直な感想です。

でも、熱量は凄いのであっという間に読めました。

もしかすると、この文量で比較しても最速の読破だったかもしれません。

これ読んじゃうともう映画はいいや、という気にもなってしまうのですが、映画はどうなのでしょうか。

 

最後に余談ですが、本作には谷川岳の話がたびたび出てきますが、実は偶然昨年谷川岳にトレッキングに行ってきました。

まさか本作に谷川岳が登場しているとは露知らず、偶然に驚きました。

といっても、自分が登ったのはそんな反り立つ壁のような岩山を上る一の倉沢ルートではなく、ロープウェイで天神平駅まで行ける初級者~中級者向けのルートですが、

登山後に岩山ルートの動画も見ましたが、あんなの私にはとても無理です。

ロープウェイルートは岩場や鎖場も多いルートになりますが、自分はその分楽だと思いました。

現に最初から最後まで苦労した記憶が全くなく、物凄く楽しんで登ることのできた大好きな登山体験でした。

それこそ「クライマーズ・ハイ」になっていたのかも知れません。

また行きたいな~。

 

 

『コフィン・ダンサー』 / ジェフリー・ディーヴァー

 

 

 

久々の<リンカーン・ライム シリーズ>です。

 

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前作を読んだのはもう2年以上も前のことなんですね。

ここまで間が空いてしまったのは、なんとか書店で手に入れようとしてしまったから。

結局、ネットで中古を買いました。

元々中古でしか手には入らないだろうなとは思っていたんですけどね。

 

ということで、本作が『スズメバチ』と並ぶくらい面白い作品でした。

上下巻ということでしたが、個人的な印象では『ボーン・コレクター』よりも長さを感じませんでした。

というのも、正直『ボーン・コレクター』よりこっちの方が面白いと感じたからです。

 

前作はライムの人間性や過去、更にはサックスの性格やライムとの関係性などに説明を割いたり、またライムの分析力や多岐に渡る専門性の高さを知らしめるような描写も多く、そういう面で新鮮味と面白さがあったのは確かです。

対して本作ではそういった今や余計となってしまった部分は悉くそぎ落としており、物語に没入することができました。

序盤からダンサーに対して何やら因縁があるように感じさせるライムですが、中盤からは最早そんな因縁云々ではなく、凶悪犯を追い詰めたい一心で動くライムとサックス、そしてベルという構図には面白さしかありませんでした。

更には最前線で仕事をする者の危険性、そして悲劇、そういったところも描かれていて、物語の緩急がより本の世界へと誘います。

護衛対象となっているパーシーに対しては思わない所が無いわけでもないですが、こちらの終盤の飛行描写もなかなかスリルがあって楽しめました。

前作より一歩進んだライムとサックスの関係性については、特に思う所はありませんでした。

 

しかし、ライムの頭脳明晰が際立つ本作ではありましたが、その指先を掠めるようにして逃げていくスティーヴンの腕の良さや運の良さもすごかったです。

そして標的のことを<妻>とか呼んでいる表記には違和感を覚えていましたが、まさかそう来るとは・・・!

ただここの流れに関してはサックスとベルも不用心過ぎるというか、あっさりやられすぎでは?とも思いました。

 

最後には思わぬライムの過去も明かされることになりますが、そんな描写を経て次作ではライム対サックスという衝撃的な構図になるとか。

何故そんなことになっているのかも気になりますが、どうなってしまうのかというはもっと気になります。

この著者の作品を読むのは本作でまだ3作目ですが、どれも高水準で驚かされます。

現代最高の作家ってこの人なのでは?とすら思ってしまいます。

まぁまだ3作目なんですけどね。

とにかく、次作もメチャクチャ楽しみです。

 

ちなみに余計な話ですが、『スズメバチ』と本作だったら『スズメバチ』に軍配を上げます。

『スズメバチ』は読了後も心のダメージが消えません。

作品に没入過ぎるのも考えものですね。

こんなに余韻を味わっているのは『白夜行』以来です。

 

という、最後に余計な話でした。

シリーズ物だと他シリーズの作品でも読みたいものが沢山あるのでなかなかすぐとはいかないかも知れませんが、次作も絶対に読みます。

 

『スズメバチ』 / マルク・ラーベ

 

 <刑事トム・バビロン>シリーズの第三弾です。

前作を読んだのはいつだったでしょうか。

 

 

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これを見ると1年振りくらいですね。

もっと前の事かと思っていました。

 

さて、そんなシリーズ第3弾の『スズメバチ』ですが・・・。

今年の個人的読書大賞の筆頭候補です。

いや、今年どころかここ2~3年で読んだ作品の中だったら断トツだと思います。

久々に夢中になって読書の世界に浸ることのできた作品でした。

 

具体的に何が面白かった?と問われると、正直書けないことが多いです。

ネタバレに繋がるので。

ただ、前作でトムの妻であるアンネの妊娠が発覚し幸せムードも纏いつつ終幕した続きで、まさかこんな・・・こんな残酷な展開になるとは。

「残酷」と書きましたが、人によっては感じ方は異なるかも知れません。

でも自分はこの作品で語られる事実は「残酷」だと感じたし、だからこそ物語に没入出来た気がします。

 

毎度毎度ピンチに陥るトムですが、今回はこれまで以上に厳しい環境になります。

そんな機微い状況でもシリーズ通しての相棒であるジータは味方になってくれますが、そんなジータとの関係は、本作ではこれまでとは少し変わっています。

これまで二人の間には壁を隔てた関係が続いていたように思いますが、本作ではその壁は取っ払われ、これまで以上の強い絆が感じられます。

そしてそれはジータに限らず、トムの周りのある人達まで波及していくことになります。

その部分だけ絞ってみれば、本作もなかなか幸福感の味わえる作品とも言えるでしょう。

ただそれでも、自分は読了後も心に傷を負った感じが否めません。

そして、それを踏まえてのトムの心情と行動には頭が下がるばかりです。

勿論、これからなのでしょうが・・・。

 

そして本作の最後はまたまた衝撃的な終わり方で幕を閉じます。

正直、いますぐにでも続編を読みたい衝動が湧き起こりますが、残念ながら続編はまだ翻訳されていないとのこと。

これまで既刊の作品を読むことが多かっただけに、こんな焦らされ方は初めての体験かも知れません。

 

いやでも、本当に久々にこんな幸福な読書体験を味わせてくれました。

やっぱりこの本の世界に引きずり込まれる没入感、これが味わいたくてミステリーを読んでる訳で。

こんな体験が次いつ出来るか分かりませんが、これを味わってしまうと追い求めてしまいます。

この作品のおかげで、冷めかけていた読書熱に火が点いた気がします。

これだからミステリー好きは止められない!

本当にこの作品には感謝したいです。

超絶面白かったです。

 

ちなみに、冒頭に「個人的読書大賞の筆頭候補」と書きましたが、実は並行して読んでいる作品がその対抗馬になるかも知れません。

『スズメバチ』は筆頭候補と書きましたが、読了している作品群の中で対抗馬は見つかりませんでした。

ここ数年で考えても、面白いと思った作品は沢山ありますが、『スズメバチ』程の面白さを味わえた作品は多分なかったと思います。

ただし、今並行している作品を読了した時、もしかすると対抗馬になっている可能性が大です。

現在その対抗馬となる可能性のある作品の<下巻>を小出しに読んでいます。

面白過ぎて、逆に長く味わうようにしています(笑)

近いうちに、その作品の感想も投稿できると思います。

ちなみにその未読の投稿予定の作品も、このブログで取り上げたことのあるシリーズものの作品となります。

よろしければ推理してみてください。

と言っても、このブログはカテゴライズがいい加減なので難しいと思いますが・・・。

 

 

最後に繰り返しになりますが、本当に久々に夢中になることの出来た作品でした。

これをまた起点にして、どんどんミステリーを読んでいきたいと思います。

あと、とにかく早く続編を読めるようにしてくれ!!

流石に自分のドイツ語の学習レベルじゃオリジナルは読めません!

 

 

 

『茶色の服の男』 / アガサ・クリスティ

 

 

NUMBER SHOT2026に参戦するのに東京からフェリーで行った訳ですが、そのフェリー内で読むならこれだ!と決めていた本です。

 

ということで船内で読了しました。

クリスティの作品の中でもかなり古い方の作品で、ポアロシリーズの中だと『ゴルフ場殺人事件』の翌年に出ている作品と考えると、相当初期の作品だということがよく分かります。

しかし、読んでみてもそんな初々しさを全く感じないから不思議です。

 

さて、ちょっとした冒険譚ということは知っていましたが、初読のため内容は全く知りませんでした。

クリスティの作品の中だと長めの物語となっていて、正直読んでいても長さは感じてしまいます。

それも必然的な長さ、というよりも冗長に感じられてしまったというのは否めません。

しかしながら、十分楽しめて一冊ではありました。

 

主人公のアンは『チムニーズ館の秘密』と『七つの時計』に登場するバンドルを彷彿とさせるキャラクターで、もう殆どバンドルでした。

猪突猛進な所、勇猛果敢であり、そして時に無謀でもあること。

ただし、アンの場合はバンドル以上に後先考えない、常人にはとても真似できない行動も披露してくれます。

ただし、好きかどうかで言うと、自分は最後まで馴染めなかった気がします。

 

他の登場人物だと、レイス大佐の初登場作品でもあります。

「あれ、こんなキャラだったっけ?」という印象ですが、初登場にして自分の知っているレイス大佐とは異なる一面を見せてくれました。

もう一人メインキャラクターと言っても良い人物でシューザンが居ますが、このシューザンが自分は好きでした。

アンが子供っぽさがあるのに対し、シューザンはやはり大人な対応が垣間見えて、でもアンとも似た好奇心を隠せない感じが妙に好きでした。

「これは、もしこいつが黒幕だったら手ごわいぞ」なんて思いましたが・・・。

 

物語的には、先にも書きましたがやはり長い。

序盤のアンが船で旅に出るまで~下船くらいまでは、多少強引な行動はあったものの割とスムーズに物語は進んで行ったかと思います。

ところが下船後からが二転三転、動いて動いて動きまくる展開に「やり過ぎでは?」と若干冷めてしまいました。

特にアンが転落してからの流れはイマイチに感じていました。

でも、その後の黒幕の正体に辿り着く流れ、ダイヤのありか、各人物の持つ秘密の種明かしなど、怒涛の展開を考えると、悪くない遠回りだったのかも知れません。

全体的には、自分は先に上げた『チムニーズ館の秘密』と『七つの時計』が大好きな作品なので、似たジャンル・似た人物の本作はちょっと物足りなさを感じてしまいました。

 

ところで、あとがきによるとハヤカワ・ミステリ文庫版のあとがきで、本作がクリスティのある作品の先駆的存在であるという解説が書かれているそうです。

その「ある作品」の具体的な作品名は伏せられているのですが、自分が最初に考えたのは『チムニーズ館の秘密』でした。

両作品を読んだ方はこれでも納得してもらえると思うのですが、この2つの作品は終盤に似た展開があります。

ですが、その後色々調べてみるとどうも『チムニーズ館の秘密』では無いようですね。

言われてみれば、たしかに「あの作品」と同じことをやっているのか、と後から気が付きました。

それくらい、自然に読んでしまいました。

 

本当に初期の作品とは思えないクオリティは十分感じられる作品だったと思います。

色々ダメ出しも書いてしまいましたが、旅情ミステリとしてはちょっと弱いかも知れませんが、冒険譚としては十分堪能させてもらいました。

そして、やはりキャラがしっかり色付けされているのがクリスティの素晴らしいところ。

クリスティでしか味わう事のできない雰囲気を堪能することは出来ました。

自分の印象だと『ゴルフ場殺人事件』はもう少し初々しさを感じられたような気がしますが、本作はもうそれは無い気がします。

そして、この次の作品が『チムニーズ館の秘密』、そして『アクロイド殺し』になるということを考えると、まさに作家としてアクセルをベタ踏みする発端になった作品が『茶色の服の男』と言えるのかも知れません。

この辺りの年代に『茶色の服の男』、『チムニーズ館の秘密』、『ビッグ4』とスリラーものが続くのも興味深いですね。

 

これで自分の長編クリスティの読書歴は、『スタイルズ荘の怪事件』から始まって『白昼の悪魔』まで繋がりました。

(メアリ・スコット名義の作品を挟むと、もしかしたら違うかも知れない)

その次が『NかMか』になりますが、これは創元推理文庫で新訳版が出るのを期待したいと思います。

再読したい作品も数が多いですが、長編だけに限れば未読のクリスティ作品もわずかとなってきました。

逆に短編を全然読んでいないので、そろそろそちらも手を付けていこうかな。

 

そういえば、これはレビューを読むまで気が付かなかったのですが、クリスティの文庫にしては珍しい表紙ですよね。

どういう意図があるのだろう。

正直、クリスティの作品はどれもお子さんでも十分楽しめる作品ばかりだと思います。

本作のあとがきにもありますが、その中でも本作は子供むけようにリライトされているとか。

それは思うに、きっと犯人が最後・・・

 

 

NUMBER SHOT2026 @みずほPayPayドーム(2026/8/1)パート③

パート②の続き。

 

ということで、TOMOOと二大お目当てのバンプ。

バンプを生で観るのは2024年のツアーが最後だから、1年半ぶりくらいでしょうか。

VAUNDYがあれだけ盛り上がって、でも一目でバンプファンと分かる参加者はこのフェスでもどのファンよりも一番見かけたと思うので、大丈夫かなと半分ドキドキでした。

演奏が始まって最初は正直イマイチでした。

藤くんも序盤はあまり声が出ていると言えた方ではなかったと思う。

「車輪の唄」の増川のギターも相変わらず不安定だし、「これがトリで良いのかな・・・」と一ファンとしてもなんだかヤキモキしていました。

しかし、演奏が進むにつれ徐々に良くなってきました。

「I」も生で聴いた方が良い曲だな~と思いました。

特に個人的には「Gravity」がすごく良くて、久々に生で聴いたけどあれは良かったな~。

そして、その後はてっきり「カルマ」が来るかと思っていたら福岡では「SOUVENIR」でしたね。

こっちのが個人的には良い!

本編で「天体観測」がなかったので、これはきっとアンコールあるぞ、と思っていたらやはりありました。

バンドの名刺代わりの一曲でもあり、恐らく会場でも知らない人は居ない一曲だと思います。

アンコールにこれ以上相応しい楽曲も、よく考えたら無いですよね。

 

そんな感じで、「いやーなんだかんだ、やっぱり楽しかった!」なんて思っていたら、藤くんが真面目な口調で語り出しました。

恐らくこの時藤くんが語った事というのは、既に色々な所で書かれていると思います。

本当はこのあとのことを自分は一旦書いたのですが、やっぱりここでは割愛します。

ただ、自分はこのライブ来れて本当に良かった。

心の底からそう思います。

思えば、自分が福岡で初めてバンプを観たのは2017年。

あの時は藤くんが体調不良になって公演延期になった時でした。

それから2024年のホームシック衛星では、あまりに素晴らしい演奏・セトリだったために終演後にまさかのカラオケで二次会をやるという、いつもの自分からは考えられないようなことが起こりました。

そしてこのNUMBER SHOT。

こういう特別な事が福岡ではよく起こります。

それも不思議な感じがしますが、だからなのか福岡は好きな街です。

 

次の福岡公演は年末。

行けるか分かりませんが、行けるなら行きたいですね。

その日を夢見て、この夏はこのライブを振り返って乗り切ろうと思います。

あ、でも今年は久々のロッキンも行きますけど。

きっとそっちも灼熱だろうな・・・。

 


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