更新をサボり過ぎて読了した順番がよく分からなくなってきました。
なので、とりあえず最後に読了した作品の感想から。
早川書房から出ているクリスティ文庫では『おしどり探偵』をタイトルで出版されていたため、こちらの『二人で探偵を』というタイトルは未読の私にも馴染みがなかったのですが、創元推理文庫は元々こちらのタイトルで出版していたそうですね。
なので、中には『二人で探偵を』というタイトルの方が親しみがあるという方も多いみたいですね。
そして、読み始めるまで短編集だということも知らなかった本作です。
自分はクリスティ作品が大好きですが、<トミーとタペンス シリーズ>は昨年刊行された新訳版『秘密組織』まで読んだ事がありませんでした。
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その新訳版『秘密組織』の巻末で、「次作も新訳版で刊行する予定です」と書いてあったので、出版されるのを待っておりました。
ということで発売早々購入してすぐに読みました。
と言っても感想が書きにくい作品ですね。
一つ思ったのは、探偵小説の楽しみ方の原点みたいな作品だなということです。
ずば抜けた面白さは無かったんですが、古き良き探偵小説と言った感じで、中学生の時にホームズシリーズを読んでいた時と同じような感覚になりました。
前作もそうですが、トミーとタペンスがとにかく良いコンビで、まさに阿吽の呼吸で様々なピンチを脱するハラハラした展開もあれば、それぞれの鋭い所が発揮されて爽快感がある話もあり、また二人の失敗談もあります。
そして、実は最後の話にちょっと感動してしまったり。
読み終わってみると、自分は『二人で探偵を』というタイトルの方がピッタリだなと思いました。
二人にとっては一時の夢物語のような話で、その終わりも二人らしい素敵な展開だったと思います。
探偵小説に登場する様々な探偵になりきろうとするトミーですが、自分が知らない探偵も多く、改めて参考になりました。
一方、推理小説に読み慣れた方にはミステリーとしては弱い作品かもしれませんが、是非原点回帰されたい方には推したいと思える作品でした。
ところで、今回は次作の案内が無かったのですが。
是非次作も創元推理文庫から新訳版を出してくれると嬉しいです。
『二人で探偵を』
★★★☆☆ / (3点)