推理小説ではありません。
夏らしい小説が読みたくて手に取った本第2弾です。
本屋に陳列されていた「新潮文庫の100冊 2021」から悩んだ末に選んだのがこれです。
選んだ理由は昨年に観た以下の2点が大きく影響しています。
以上の2つです。
そもそも何故フェルマーの最終定理の動画を観たのかを忘れてしまったのですが、とにかくその内容が面白かったこと。
そして上の中田敦彦さんの動画はサイモン・シン著の『フェルマーの最終定理』を元に作られた動画だったので、原作にも興味を持ったこと。
そして、やっぱり原作が面白かったこと。
ここから自分の数学というジャンルへの興味は始まりました。
自分は元々文系の道を歩んできましたが、中でも数学は特に苦手で好きではない科目でしした。
そんな自分が数学というジャンルに興味を持つとは思ってもみませんでした。
もっといえば、この動画を観て学問への意識というか姿勢というかが変わった気がします。
先人たちの神がかり的な閃きと天才的な発想、そして血の滲むような努力と探求心が現代を築きあげてきたのかと考えると、自分は今まで一体何をしていたんだ・・・と深く後悔すらしてしまいます。(大袈裟かも知れませんが)
勉強してこなかったことをというよりも、勉強あるいは学問に対する姿勢という意味でです。
それにもっと早く気づいていれば、もっと変わったかもな・・・(泣)
なんて思っても遅いですが。
きっかけに大分文字数を割いてしまいましたが、これは自分の中では重要なことなのでご勘弁を。
さて、肝心の本の中身についてです。
自分はそんなつもりで読んだ訳ではないのですが、これはライト文芸ということになるようです。
読後に観たレビューでも「ライトノベルみたいな文章」という感想がありました。
実際自分もその感想を見て「確かにそうかもな」と思いました。
だけれども、自分は大好きでした。
数学に対して天才的才能を持つ主人公が、その才能に磨きをかけ、ライバルに出会い、「数学とは何か」という問いにぶつかっていく物語です。
すごくざっくりな説明ですけど(笑)
ライトだからなのか、文章は抜群に読みやすい。
また上の動画や『フェルマーの最終定理』の中でも語られているような数学の偉人や歴史の話が出てきますので、ある程度予備知識があった方が面白いかも知れません。
手っ取り早いのは、やはり中田敦彦さんの動画を観ることだと思います。
上の動画以外にも数学系の動画はありますので。
あるいは中田さんに限らず、数学系の動画は沢山転がっています。
もしくは巻末の参考文献の中から読んでみるのも良いかも知れません。
とはいえ、予備知識なくても十分面白いと思いますが。
数学が苦手な人でも全然楽しめると思います。
実際最後の方は計算問題が出てきますが、ゆっくり考えれば理解出来るようなレベルだと思います。(飽くまで自分のレベルだとゆっくり)
数学で競い合ったり、謎の喧嘩に巻き込まれたりと、確かにライトノベルっぽい側面はあります。
それが気に入らない人には合わない一冊だとは思います。
ただ、何度も言いますが抜群に読みやすいです。
読みやすいというのは、「面白くて」という意味も含みます。
レビューを見た感じだとイマイチでしたが、元々ライトな物も大好きでしたし、数学に丁度興味を持っていた自分には凄く面白いと思った1冊でした。
続編もあるようなので、非常に楽しみです!
★★★★★ / (5点)