このブログでは初めて取り上げる映画の話題です。
柚月裕子さんの原作の小説が映画化したものです。
とは言え自分は原作は読んでませんので、どれくらい原作に沿っているのかは分かりません。
調べたところ、今作はオリジナルストーリーになっているとか。
それならそれで原作的にどういう位置づけになっているのか気になるところではあります。
原作はともかく、飽くまでも映画ベースで話を進めていきます。
直接的なネタバレは書きませんが、間接的なネタバレは挟んでいきますので、ご了承ください。
さて、第一作目は世間的にも高評価だったと思いますが、個人的にもかなり面白かったです。
2作目は必然的に1作目との比較にどうしてもなってしまうのですが、まず一番思ったのが「大上ってやっぱり凄かったんだな。」ということ。
前作のラストである意味覚醒した日岡でしたが、今作はもうビジュアルから既に違います。
途中までは頼りになりそうな存在感を見せつけてくれましたが、実際は思う通りに捜査が進まず、墓穴を掘ってしまいます。
その墓穴も恐らく大上なら回避出来たであろう罠でした。
自分でもあれは引っかかっていたと思いますが、まさかあれが伏線だったとは・・・。
思い返してみると、凄くバカにされていたのですね。
しかし、こう見ると大上ってかなり上手く綱渡りしてきたよねと思わずにいられません。
それが一つ、この映画のテーマだったのかなという気がします。
それと、これは誰もが感じるところだと思いますが、上林役の鈴木亮平さんの演技が物凄いです。
本気で怖い。そう思えました。
この狂犬には龍が如くシリーズの真島だって敵わない気がします。
まぁ、真島だってほんの一面しか表していないとは思いますが。
それはともかくとして、やっぱり上林はこの物語のキーマンになりますので、この圧倒される演技はお見事でした。
それだけに、自分はラストの展開がどうも気に入りません。
もっと恐怖を感じるような暴れ具合を観たかったですし、それに立ち向かう日岡という構図を観てみたかったです。
それと、これは有り得ないことだと分かっていますが、大上対上林という構図も観てみたかった。
最後に一つ上げるとすれば、村上虹郎さん演じるチンタでしょう。
自分はどうしてもこのポジションの役に魅了されがちです。
無鉄砲と紙一重の覚悟は格好いいとは違いますが、お見事だとは思います。
ただの鉄砲玉だったら潰れててもおかしくない場面を、覚悟と気合で乗り切る場面はすごく良かったです。
ただ、自分が一番好きだったのはチンタではなく、中村獅童さん演じる新聞記者です。
やっぱり後半のカーチェイス以降がどうしても腑に落ちないですし、最後のシーンも言わんとすることは伝わってはくるのですが、余計モヤモヤが残ってしまいました。
ただ、そもそもそれが作り手側の狙いだったのかも知れません。
だって、こんなの次回作があったら絶対観ちゃうから。
いや、絶対に次回作も作ってくれ。
そう強く願ってしまう程、面白い作品でした。
『孤狼の血 LEVEL2』
★★★★☆ / (4点)