色々と考えてみたんですが、やっぱり個人的年間ベストは推理小説のみを対象とすることにしました。
ランクインするとしても、『フェルマーの最終定理』くらいのものですので・・・。
ということで残り5日間で1位まで発表できるようにしたいと思います。
いきなり第5位から結構迷いましたが・・・。
今日紹介する第5位はこちら!
・第5位『チムニーズ館の秘密』 / アガサ・クリスティ
いきなりこのブログでは紹介していない作品です。
クリスティの作品は何作か紹介してますが、この作品は自分でも意外だったんですが、ブログで紹介する前に読了していたんですね~。
今年はバトル警視シリーズを読破しようと思っていたんですが、そのバトル警視物の最初の作品となります(ノン・シリーズとしては)。
ここから『七つの時計』、『殺人は容易だ』、『ゼロ時間へ』と続いていきます。
これは上記作品を全部読み終わった時にも書いたことですが、バトル警視物として振り返ってみると、『ひらいたトランプ (クリスティー文庫)』(ポアロ物)を除けば『チムニーズ館の秘密』が個人的には一番好きでした。
この作品はクリスティの中では少ないと思われる冒険活劇ものとなっています。
勿論ミステリーではあるんですが、それ以上に主人公たちの行動力が随所に溢れており、ちょっと表現が違うとは思うんですがルパン三世みたいな感じで読めました。
クリスティの冒険ミステリーといえば真っ先に『ビッグ4 (クリスティー文庫)』の悪夢が思い出されます。
『ビッグ4』と比較すると雲泥の差だと個人的には思っています。
序盤が少しばかり退屈ではありますが、「アンソニー・ケイドの登場だ」という台詞から物語が加速していきます。
この『チムニーズ館の秘密』、実は複雑な話に見えるのでなかなか推理が立てにくいんですが、終わってみれば物凄くシンプルな事件の積み重ねになっています。
何でもない事件を複雑にする、というのはクリスティの十八番とも言えるかと思いますが、今作はその複雑化に加えて登場人物たちがあちこちで色々な行動を起こしていきますので、展開が予測不可能なのがかえって自分は凄く面白く感じました。
最後の最後に明かされるどんでん返しには普通に驚かされました。
まさに灯台下暗しでした。
推理小説に読みなれている方はその可能性も予測したのかも知れませんが、自分は一切考え付きませんでした。
そういう「やられた!」感が味わえたのもこの本が面白いと思った根拠にもなっており、また印象にも残る理由だと思っています。
次作の『七つの時計』は『チムニーズ館の秘密』のタイトルにもなっている「チムニーズ館」が舞台となっており、何人かの登場人物は『チムニーズ館の秘密』から引き続き登場しています。
ビルなんかはちょっとキャラが変わっている気もしますが・・・。
そちらの『七つの時計』でも最後に明かされるどんでん返しが意外過ぎて印象に残っています。
ただ冒険活劇として比較してしまうと、やっぱりアンソニーは非常に魅力的なキャラだと思います。
彼の行動力あってこその物語ですので、その力にどこまで引っ張られるか、もしそれが合わないということであれば、本作は駄作だと感じてしまうのかも知れません。
とにかく、『ビッグ4』の悪夢を払拭してくれた本作は自分にとっては大きいです。
来年はこの勢いで「トミーとタペンス」シリーズも読んでみようかしら。
元々クリスティ大好きな自分ですが、あと何回もこういう面白さを味わせて欲しいと期待を持たせてくれる作品でした。
ということで第5位は『チムニーズ館の秘密』でした!
ブログで紹介していない作品だったので、色々と長く書いてしまいましたが、紹介した作品に関してはもっと簡潔な記事になるかも知れません。
ということで、第4位はまた明日。
(迷った第5位もそのうち発表しようと思います。)
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