今まで当ブログで上げた記事は、全て読了順に記事にしてきました。
ただ、ここ最近数冊読了した本がありまして、まだ記事に出来ていません。
なのでここからは読了順ではなく、ちょっと順番を弄らせて頂きます。
ということで、一番最近読んだのが『人形館の殺人』となります。
館シリーズの4作目です。
自分は綾辻行人氏の作品はまだこの館シリーズしか読んでいません。
なので判断するにはまだ早いというのも分かっているんですが、少なくともこの「館シリーズ」に関しては個人的には合わないなと思っています。
今作もそうでした。
むしろ、今作が一番合わなかったです。
そういう者が書く感想だと認識して頂いて、この先読んで頂ければと思います。
飽くまでも個人的な感想になりますので。
自分は「館シリーズ」だと『水車館の殺人』が一番好きだったんですが、それはトリック云々でなく、物語として面白かったからです。
トリックだけで言えば、『十角館の殺人』も『水車館の殺人』も肝心要のトリックには気づいてしまいました(迷路館は全く分からなかった)。
それでも、物語としては面白かったので一応楽しんで読めました。
『十角館の殺人』だって前評判ほどではないなと思ってはしまいましたが、読後しばらく経ってもトリックではなく、褪せない物語があったというのはやっぱりそれだけの魅力が詰まっていたからだと思います。
翻って『人形館の殺人』はどうでしょう。
個人的には最初から最後まで面白くありませんでした。
自分が一番嫌だったのは、肝心要のトリックに最初の方で気づいてしまったたからでも、キャラの魅力が全くないことでも、「館シリーズ」と言うに相応しくないことでもありません。
もったいぶった構成と文章が嫌でした。
それをやっていいのは、綺麗にどんでん返しが決まる、あるいは物語が締まる時だけにして欲しかったです。
構成があまりにもくどくて、面白さを感じるどころではありませんでした。
どっちにしろ物語としても楽しめなかったとは思いますが・・・。
途中で『占星術殺人事件』や『ドグラ・マグラ』を彷彿とさせる箇所が出てきますが、それも中途半端な効果にしかなりませんでした。
特に『ドグラ・マグラ』を彷彿とさせる文はそれが主題のテーマでなかったとしても、本家本元と比較してしまうとその系譜の作品としてはカタルシスも感動も混沌もなく、全てがチープに見えてしまいます。
それと、自分は「館シリーズ」ファンではありませんが、それでもこれを「館シリーズ」としてやる必要が本当にあったのかと疑問に思ってしまいます。
いや確かに、やりたいことは分かりますし気持ちも分かります。
敢えて逆手にとるという手法は、ある意味推理小説の常套手段とも言えると思うので。
ただ、それを踏まえてもちょっと納得がいかないというか・・・気持ちのいい感じがしません。
「館シリーズ」という看板がなければ、途中で放り出してたかも知れません。
やはり自分には「館シリーズ」は合わないのか・・・。
それでも次の『時計館の殺人』は名作だと聞きますし、それは何とか読みたいと思います。
というか、その前に一度「館シリーズ」以外の綾辻行人氏の作品を読んでおいた方が良い気がしています。
「館シリーズ」以外にも名作と言われる様な作品もありますし、自分も興味がある作品があります。
飽くまでもここに書いた感想は個人的なものになります。
個人的な感想のまとめになりますが、本作は自分には面白さが分からない作品でした。
『人形館の殺人』
★☆☆☆☆ / (1点)
※余談ですが前記事『白夜行』の評価を付けるのを忘れていたので、追記しています。