いきなり余談ですけど、普段は極力紙媒体で本を読みたいと思っていますが、登山とかゴルフとかの荷物が多い時は電子書籍ってありがたいですね。
ということで本作も電子書籍です。
<『城』シリーズ>は「アリス・ミラー城」以外は電子書籍でした。
読後に「クロック城」は書店で見かけましたけど。
本作が読みたくて読み始めた<『城』シリーズ>ですので、ついにここまで来たという感じがします。
表紙は本作が一番好き。
肝心の内容ですが、他の<『城』シリーズ>と同じような感想で、どっちつかずな印象です。
城の仕掛け(最後の仕掛けの事です)としては一番面白かったし、この考えはありそうでなかったような気がします。
ただ作者の北山猛邦は「物理の北山」なんて称されているようですが、そんな物理トリックなんかよりも気になる点が多すぎるこの<『城』シリーズ>です。
本作も、そして前作もそうですけど、この仕掛けはどうなんだろう。
今回は真相が明らかになっても「はい?」って感じで暫く理解出来ないままでした。
読後も「何を言ってるんですか?」という理解出来ない状態でしたので、色々調べてみてやっと理解できました。
解説サイト等を見ると、特大ヒントが書かれているページもあったりして、「これは見抜けなかったわ~」という賞賛の気持ちも無いわけでもないんですが、「物理トリックへの拘りとは一体・・・?」というのが正直な感想です。
見抜ける・見抜けないは一旦置いておくとしても、これが面白いものかどうかと問われれば個人的には「否」という答えになります。
物語的にはこれでもシリーズで一番シンプルだったと思うので、結構楽しめたんですけどね。
あと登場人物が多めではありますが、はっきり言って殆どが関係ないので無理して覚えようとして読み進めなくてもいい気がします。
勿論、推理するならキチンと把握しておかないとダメですけどね。
今振り返ると、「皆あっさり殺され過ぎじゃないか?」という気もします。
みんな「あの仕掛け」で殺されたのかな~?
メイントリックは否定的ですけど、全体的には好きな方の作品になるかと思います。
ということで<『城』シリーズ>もこれにて終了。
巻末の著者紹介に
2009年5月に最新講談社ノベルス『「石球城」殺人事件』が発売予定。
と書いてあるんですが、どうも刊行されていない様子。
次があれば読んでみたいとは思いますね。
<『城』シリーズ>全体を振りかえって、個人的には「クロック城」と「ギロチン城」は好きでしたが、後2作は好きではありませんでした。
好きな2作の方も大好きな作品とは言い難く、クセのある読み手を選ぶシリーズなのは間違いない気がします。
「そもそも世界観が無理」って人も多そう。
ライトノベル感がどうしても拭えないので、そういうのが好きな人はとりあえず「クロック城」を読んでみてはいかがでしょうか。
『「ギロチン」城殺人事件』
★★★(★)☆ / (3.5点)
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