読書していない訳ではないのですが、なかなか読み進めていないのも事実なこの頃・・・。
その他、『少女は卒業しない』を読み返したり劇場版を鑑賞したりはしてましたが、それを記事にしてもな~と放置しておりました。
ちなみに劇場版も凄く良かったです。
『BLUE GIANT』を観に行こうと思っていたつもりが、気づけば2回目の『少女は卒業しない』を鑑賞していたことも。
でも2回観たことで発見があったので良しとしよう。
さて、久々の読書記事は約1年振りの赤川次郎です。
これはいつか読み返そうと思っていたものの、このタイミングになったのは予想外でした。
というのも今読んでいる本が何冊かあるのですが、それを出先で読むつもりが携帯するのを忘れており、読書欲を急きょ何か買おうと思い立って買ったのが本作です。
これは赤川次郎作品全般に言えることですが、ホームズシリーズ同様読むのは中学生以来で内容を全く覚えていません。
ただ、自分は「幽霊列車」シリーズが好きだった、ということだけは覚えています。
その「幽霊列車」シリーズもいつか読み返したいとは思いつつも、本作は是非読み返さなければと強く思っていました。
それは何故かと言えば、何かのミステリー特集で本作の密室トリックは斬新であると書かれていたのを目にしたからです。
はて、どんなトリックだったか一切覚えていない・・・ということで読み返さなければと考えていた次第です。
ということで記念すべき「三毛猫ホームズ」シリーズ第一作目です。
一作目から既にドタバタ劇が繰り広げられます。
「女子大生連続殺人事件」、「○○〇密室殺人事件」の他身内の問題、主人公自身の問題、同僚刑事の問題・・・などなどが重なり、波乱万丈な幕開けです。
三毛猫ホームズも流石の活躍を見せてくれており、最後まで退屈しない且つとても読み易い内容でした。
推理小説らしいどんでん返し・・・とまではいかないかも知れない結末が待ち受ける展開もあります。
さて自分が気になっていた密室トリックですが、読み進めているうちに勘付いてしまっていたという事実はあるものの、流石に大胆過ぎるような気が・・・。
確かに斬新であったことは認めます。
認めますが、推理小説ならではの快感を味わえるほどのトリックではありませんでした。
本作・・・というか本シリーズと言った方が良いかも知れませんが、トリック等のミステリーの側面よりも小説としての物語の面白さや登場人物の造形はとても良いと思います。
本シリーズの良さはそういった側面で担保されているような気がします。
実際本作も物語としてはとても面白かったです。
また、あとがきでも青木雨彦氏が語っていますが
「推理小説も、小説である以上は、登場人物のキャラクターがしっかり描かれていなければならない」、というのが私の持論だが・・・
自分も同じ考えの持ち主ですので、そういう人にはオススメなのが赤川次郎作品と言えるかも知れません。
ただし、本格推理小説を所望している方々には物足りない気がします。
それでもミステリーにも興味の無い方も含めた幅広い層が楽しめるというのは流石の魅力ですね。
ということで久々の赤川次郎作品も読み易くて面白かった。
推理小説としてはもう一歩というところの本作ではありましたが、「幽霊列車」シリーズも含め色々読み返したくなります。
本作を読んで近々読み返したいと思った作品がありますので、いずれそれもここで取り上げたいと思います。
★★★☆☆ / (3点)