アガサ次郎の推理日記

推理小説好き(初心者)です。主に読んだ本の感想を書き込んでいきます。

『サン=フォリアン教会の首吊り男』 / ジョルジュ・シムノン

 

 

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今年に入ってメグレ警視シリーズが複数復刊してますね。

本作『サン=フォリアン教会の首吊り男』も今年の5月に新訳版が出ています。

 

ということで、前に読んだ『メグレと若い女の死』は地味な作風ながらも個人的には好印象だったので、本作も割と期待を持っておりました。

なんですが、本作は悪くもないけど特に良いとも思わなかったというのが正直な感想です。

メグレのふとした好奇心から追っていた怪しい男が突然自殺してしまう所から物語は始まります。

自殺のきっかけを作ったのはメグレなので最初は自責の念に苦しむ描写もありましたが、割と序盤でそのような描写は消え去ります。

自殺した男が怪しいのはほぼ間違いないので、メグレは前作同様の地道な捜査を続けていくことになります。

前作よりは展開に波があったりもするので飽きる事もなかったのですが、真相を読んでもいまいちクリティカルな感傷は得られず、誰にも共感できず、でも最後の締めだけは良かったかなという感じです。

 

良くも悪くも地道な捜査が続くのがメグレ警視シリーズなのかも知れません。

それ自体は好きなのですが、今作は自分にはハマりませんでした。

それよりも「あとがき」の解説が面白く、「メグレ警視なの?メグレ警部なの?」という自分も知りたかった事の詳細が書かれていてスッキリしました。

それが読めただけでも良かったかな。

全体的に薄い感想ですいません。

 

本作に続く新訳版もまだ出ていますので、そちらもそのうちチェックしたいと思います。

 

 

 

『サン=フォリアン教会の首吊り男』

★★(★)☆☆  /  (2.5点)