著者の作品を読むのは初めてだと思います。
<グアムの探偵>シリーズって、著者が手掛けていた作品なんですね。
読んだことないですが気にはなっていました。
本作を読もうと思ったのは、このシリーズのⅡとⅢが夏の文庫フェアに並んでいたのが目にとまったからです。
はい、正直に言いますけど表紙に魅かれたからです。
Ⅰは平積みされていなかったけど、これも今年改訂版として出版されたみたいですね。
実際の出版時期は10年ほど前になるんですかね。
で、内容は文科省が舞台となっている訳ですが、主人公の水鏡がかなりのキレ者であり、美人でもあり、更には歯に衣着せぬ言動を繰り返すという、現実世界ではきっとこんな人居ないだろうなと羨むようなキャラクターになっています。
そんな主人公の水鏡に振り回されつつ、確実に影響を受けていく同僚たち。
そして嫌な態度を取るまわりのエリート官僚たち。
端的に言ってしまうとそんなストーリーで、こうやって書いてしまうと今やありきたりな感じもしてしまいますね。
相棒の右京さんに似てるかも知れません(あんまり詳しくないですが)。
だけど、この作品なんだか最後まで面白く読めてしまいました。
迫りくる壁がもう少し高い方が面白かったと思わなくもないのですが、そこを無理してないのが逆に丁度いい仕上がりになっている気がします。
あと、ラストの描写はグッと来てしまいました。
阪神淡路大震災の時と東日本大震災の時での違いも、正直全然知らない事だったので無知を恥じる所もありました。
最後の意外な「敵」にも、その思惑にもついつい入り込んでしまいましたが、解決法がちょっとズルくないか?とは思いました。
まぁでもね。
全体的には結構面白かったです。
この作品はシリーズ1作目ということでまだマイルドな仕上がりになっていると思いますが、シリーズが進めば進むほど敵も壁も増えるわ高くなるわ・・・という予感が強くします。
この著者のシリーズで他にも読みたいなと思う作品もあるんですが、まずはこのシリーズを読み進めたいと思っています。
出来れば澤田にももう少し活躍の機会を与えてあげて欲しいな。