感想が難しい本です。
正直、自分には何が面白い本なのかよく分かりませんでした。
イヤミスということは知っていましたが、そこまでグロくも後味が悪いようにも思えませんでした。
ずっと何か違和感を抱えたまま読み進めていましたが、その違和感の正体が何か掴もうとしても掴み切れませんでした。
その違和感の正体が分かった時は「まぁそんなことだろうとは思ったよ」と思いつつも、確かに気味が悪かったです。
それ以外にも、全体的に暗くて気味の悪い描写が多い気がします。
別の作家の索引ですが、『姑獲鳥の夏』を読んだ時も「出てくる人物の殆どが狂人じゃないか・・・」と思いましたが、本作はそれ以上に狂人のオンパレードです。
まともな人が一人も出てこないと言っても過言ではないような気がします。
そんな登場人物たちに共感できる訳もなく、当然愛着を持つことも好意を抱くことも出来ないままに終えました。
そういった気味の悪さもさることながら、そもそもお話として面白いと思えなかったのが個人的には致命的でした。
やはり、そもそもが登場人物たちが好きじゃなかったというのが大きく、色々な人が色々な意見を述べていきますが、どれもミスリードとしては帯に短し襷に長しの状態で、物語に没入することができませんでした。
あとがきにもあるように、本の内容を忘れてきても「面白かった」という感想が強く残る本もあれば、大して面白いと思えなくても印象的に残る本もあります。
本作は間違いなく後者です。
イヤミスの名の通り後味が悪すぎるから、という訳ではなく、飽くまで個人的に面白いと思えなかった、そんな1冊でした。
『向日葵の咲かない夏』
★☆☆☆☆ / 1点