アガサ次郎の推理日記

推理小説好き(初心者)です。主に読んだ本の感想を書き込んでいきます。

チェインギャングは忘れない / 横関大

チェインギャングは忘れない (講談社文庫)

チェインギャングは忘れない (講談社文庫)

  • 作者:横関 大
  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: 文庫

また推理小説ではありません。
と言っても、広義の意味ではミステリーに分類されるかも知れません。
この本も『任侠シネマ』と同じく会社の人から貸し付けられた一冊です。

そんな貸し付けられた本作ですが、予想以上に面白かったです。
記憶喪失で脱走犯の男が未亡人の美人トラックドライバーの車輌に偶然乗り込むことになり、その脱走した囚人及び手引きした犯人を追う警察と、記憶喪失の脱走犯のやり取りが交互に展開されていきます。

本作の魅力はやっぱり記憶喪失の脱走犯の男ですね。
自分が何者か分からないけど、メチャクチャ頼りになる男で、幾つかの困難をくぐり抜けていくその様が男らしくてカッコいいのです。
この男を慕う人が何人も出てきますが、それも納得出来そうです。

ちょっとミスリードを誘う人物が出てきますが、自分は見事に引っ掛かりました。
また最後にちょっとしたひっくり返しがありますが、それはそんなにパンチがありません。
もうそんな事どうでも良いくらい、この記憶喪失の男が魅力的に見えるからです。

緻密な展開ではありませんが、理屈抜きに楽しめる一冊だと思います。




『チェインギャングは忘れない』
★★★★☆ / (4点)