初めに注意です。
この本の中でエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』とコナン・ドイルの『まだらの紐』について堂々とネタバレしております。
ご注意ください。
さて密室トリックの元祖とも言える存在ということ、そして最近読んだ本、あるいは読もうとした本にこの『黄色い部屋の謎』に触れている場面があったりしたため、これは読まねばと決意し、読了しました。
読んで最初に思ったのは、「こういう本にはよく美人が出てくるけど、大体は愚かな行動に出てしまうような・・・」ということでした。
どういう意味かは是非読んで確かめて下さい。
さて、勿論メインは密室のトリックなんですが、なるほどそういうことですか。
実に論理的に解決していて、自分は好きでした。
やはり古典の名作と呼ばれるだけあって、論理的・心理的描写や解決の仕方が素晴らしいなと感じました。
クリスティにも通じる部分があるような気がしました。
ただ、そういった解決方法の描写は素晴らしいのですが、肝心の物語部分はイマイチでした。
古典物初心者の自分が言うのもおかしいですが、古典物にはありがちなことのような気がします。
正直、探偵役にもさして魅力を感じませんでした。
そのせいか解決編で示されたトリックの解決には納得するものの、自分の中ではイマイチ盛り上がりませんでした。
ただ、やはり年代を考えれば十分面白いものだったのかも知れません。
古典物を読んでいつも思うのは、今のモノよりも文学的に感じます。
つまり、自分のような文学作品に疎いような者は、そもそも古典物は難しいのかも知れません。
それでも読みたいとは思うので、これからもチャレンジして行きます。
ガストン・ルルーで言えば『第二の銃声』は読んでみたいと思います。
兎にも角にも、ミステリーファンとしてはマストで読むべき一冊をやっと読めたということで、一つ達成感を味わった1冊でした。
『黄色い部屋の謎』
★★★☆☆ / (3点)