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まぁやっぱりコレになりますよね。
だって圧倒的ですもん。
単純な物語としての面白さだけでなく、心揺さぶられるドラマと人間関係、物語の終わり方と読者が想像する終わりの先。
個人的には小説としてパーフェクトな作品だと思います。
自分はこの作品の何に圧倒さを感じるかと言えば、それは余白部分を自分の想像で創造できるクオリティの高さがあるということです。
ドラマと違って(と言っても自分はまだドラマを観ていませんが)、亮司と雪穂が一緒に出てくる場面は最後の最後を除けば一つも無く、また物語の進行は彼ら(亮司と雪穂)の周りの人間の視点で進んで行くため、実際に彼らがどういう心情だったかというのは推し量るしかありません。
それが作品としての重厚さを増すのに一役買っていると思いますし、幾らでも想像が出来てしまう無限の世界への入り口と言えると思います。
勿論、物語としても抜群に面白いです。
自分は特に亮司のパートが好きで、彼のやった(と推定される)ことは決して許されるものではなかったとしても、どうしても彼に同情的な感情を覚えてしまう魅力のある人物でした。
この亮司と雪穂の関係性というのを思い浮かべると、今でも心が揺さぶられる感覚があります。
そこそこ長い作品ではありましたが、作品の世界に没入して始まりから終わりまで夢中になって読むことが出来た本当に素晴らしい作品です。
先にも書きましたが、単純な面白さ、ということだけではなく心の奥底まで突き刺さる何かを残してくれた、個人的年間ベストどころか自分の読書歴の中でも絶対に忘れることの出来ないまさに傑作でした。
読み終わった時点で「絶対この作品が1位だろうな」と思ってはいましたが、以前はともかく今後この作品を超えるような作品は無いんじゃないかと思わせてくれるくらい、自分の中では圧倒的でした。
という訳で、今年の個人的年間ベスト1位は『白夜行』でした。
はい、予想通りです(笑)
来年も年明けの一発目に何を読むかは決めていますので、それも楽しみにしたいと思います。
皆さまよいお年を!