色々とあって更新が滞り気味です。
その色々はまた追々・・・。
今回は下書きだけ残していたものをそのまま載せます。
内容も結構前に書いたものなのであんまり覚えてないですが・・・。
前々から再読したいと思っていた作品でした。
クリスティの作品も中身が朧気になっているものが多くなってきておりますが、不思議とどの作品が特に面白いと思ったかはよく覚えているものです。
そして本作もまさにその中の一つ作品であります。
本作についての印象に残っていたことがもう一つあります。
それは「タイトルがミスリードを誘っている」と感じたということです。
本作の原題は「ONE,TWO,BUCKLE MY SHOE」というらしく、お馴染みマザーグースのいっ説だそうです。
巻末の解説によれば、この原題が米国で発売された際に「The Patriotic Murders」に改題されたそうで、それが和訳されて「愛国殺人」というタイトルになったそうです。
そんな朧気な印象で読み直した本作ですが、やっぱり面白かった!
改めて再読して自分が感じたこのミスリードですが、その印象はなる程確かに、と思う部分もあったのですが、正直に言えばその印象は不完全なものでした。
半分は正しかった印象、という感じでしょうか。
しかし絶妙なタイトルを付けたものです!
政治的・思想的要素も含めてとても興味深かったです。
ちなみに本作ではポアロがヴェラ・ロサコフ伯爵夫人を回想するシーンが出てきます。
と言っても、実は自分はまだヴェラ・ロサコフ伯爵夫人が登場する作品の中では『ビッグ4』しか読んだことがありませんが。
『ビッグ4』と同じようなスパイ物の本作ですが、中身は雲泥の差です。
クリスティのスパイ物の作品にはまだ未読の物もあり、それらも読むのを楽しみにしています。
本作もそうですが、例えば『チムニーズ館の秘密』や『七つの時計』なんかは好きだったので。
ずっと読みたいと思っている作品が一つあるのですが、先延ばしにしている状態です。
話が逸れましたが、江戸川乱歩のクリスティ・ベスト8にも選出されているのが本作です。
その江戸川乱歩絡みの事が巻末の解説に書いてあるのですが、これが自分が前々から思っていた事がそのまま書いてあってビックリ。
この解説は以前も読んでいるはずですが、その時は長編ポアロシリーズを順番に読んでいる段階だったので、自分のクリスティに対する評価や考察もまだ進んでいなかったものと思われます。
改めて今回この解説を読んで、クリスティに対して思っていることが殆ど全部書いてあった気がして驚きました。
と言っても、こういう考えは割とスタンダードな気がしますが。
再読して良かった。
自分が現段階でクリスティ・ベスト10を作ったら本作は入るかも知れない。
いや、それは正直色々と再読してみないと分からないのですが、それくらい面白かったことは確かです。
他にも再読したい作品はまだまだあるので、また既読の作品も読み直したいと思います。