アガサ次郎の推理日記

推理小説好き(初心者)です。主に読んだ本の感想を書き込んでいきます。

2024年版『このミステリーがすごい!』を読んで

 

 

 

このミスは毎年購入して読んでいますが、買った時より後から読み返す方が面白くて好きなんですよね~。

ただ「このミス」で読みたいと思える作品の目星をつけるという作業は自分にとっては重要です。

もちろん、この目星が良い方に転ぶとは限らない訳ですが・・・。

 

今年出た物は、巻頭に名探偵コナンの作者である青山剛昌東野圭吾の対談が載っています。

これが結構面白かったです。

コナンの漫画は読んでいませんが、アニメは最初から観なおして、まだ途中なんですが結構観ましたね。

東野圭吾の作品は自分は4作しか読んでいませんが、東野圭吾の話が面白かった。

意外だったのは映像化されるのをある程度意識して作品を作っているという話。

この域の作家ともなればそうなるのか!とちょっと衝撃をうけました。

それと映像化される際に色々と注文をつけるときとつけないときがあるという事らしいのですが、『白夜行』が映画化される際にヒロインが最後に泣くというシーンがあり、それには頑なに反発したというエピソードがとても面白かった。

「このヒロインは泣きません」と言って、泣かせるならこの話は無かった事に・・・とまで言ったそうです。

こういうエピソードは逆に安心しますね。

自分は『白夜行』の映像作品は未だに観ていませんが、原作のイメージでいくとやっぱり泣くのは超不自然だと思います。

ちなみに一番口出しした作品は『マスカレード・ホテル』だそうです。

詳細は「このミス」で。

他にも『ナミヤ雑貨店の奇跡』で描かれたのは過去から時空を超えて手紙が届くという内容でしたが、これの元ネタは『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のラストで70年前の手紙がマーティの元に届くという展開から着想を得たそうです。

言われてみれば確かに似てる!

東野圭吾作品は読みたい作品がどんどん増えていくな~。

でも、なかなか読まないっていうね。

 

青山剛昌の話で面白かったエピソードは特に無かったですが、「このミス」内に「ミステリー作家が選ぶ『名探偵コナン』エピソード」なる企画があって、それは面白かったですね。

「あ、この話が選ばれるんだ!」とか「これは自分も選ぶな~」とか、「この話はまだ観てないから観なきゃ!」とか、非常に参考になりました。

今度は「自分だったらこれを選ぶ!」というのを考えるのも面白いかも知れませんね。

 

それと、「このミス」を読んでまたあった違和感というか驚きが。

「この映像化ミステリーがすごい!」と題されたリストがあったんですが、その中にこのブログでも取り上げた朝井リョウ『少女は卒業しない』が載っていました。

「え?これミステリーなの?」

そして後のページで、今度は「原作と較べても楽しい!注目の映像化ミステリー」と題されたコラムがあったんですが、そこでも『少女は卒業しない』の紹介が。

いや、確かに原作も大好きですし映画もすごくよかったと思っていますが、ミステリーじゃないですよね。

いや、確かに原作で「この話はミステリーのような構成になってる!」と感じたエピソードはあったんですが、映画ではそのエピソードはカットされているんですよね。

「うーん・・・ミステリー・・・なのか?」というモヤモヤが。

まぁジャンルの定義なんてどうでも良いと言えばどうでも良いんですが。

ちなみにジャンルの事は脇に置いておいて、『少女は卒業しない』に関するコラムの内容は全面的に支持したい内容ではありました。

 

他にも米澤穂信京極夏彦のインタビュー、2024年版「このミス」にもランクインしていた『君のクイズ』に関するインタビュー等も収録されています。

ただこちらは、自分がこれから読みたい、読もうと思っている作品が含まれているだろうな~と思って、まだ読んでません。

これらも後から読みたいと思っています。

 

ということで、タイミングが合えば2024年版「このミス」で紹介された作品も読んでみようとは思います。

大分先にはなるでしょうが。