結局エラリー・クイーンの国名シリーズを読まずに『孤島パズル』に突入です。
と言っても、『月光ゲーム』の時には色々な推理小説ネタがありましたが、
今回はそこまででもありませんでした。
ですので、結果的には良かったかも知れません。
さて学生アリスシリーズの第2作ですが、前作の『月光ゲーム』より面白かったです。
今回は新たにアリスと同い年の大学生でミステリー好きのマリアが加わっており、
より青春感が強くなったように感じました。
そのマリアですけど、自分は好きですね。
「だいたい私はペーシェンスって嫌いなの。あんな女装したエラリー・クイーン!(p.160)」
なんて最高でしたね(笑)
自分もペーシェンスは好きじゃないです。
なので『Zの悲劇』は少し辛かったです。
さて話を『孤島パズル』に戻します。
この『孤島パズル』も前作同様に閉ざされた環境で幾つか事件が起きますが、
パズラーのエラリー・クイーンに倣ってパズルがモチーフになっています。
密室が舞台の「密室パズル」、経路に関する謎の「自転車パズル」、隠された財宝を巡る「モアイパズル」、そしてある人物の死の謎が潜む「自殺パズル」です。
2つめの「自転車パズル」については自分も真相にたどり着くことが出来ました。
まず予め言っておくと、今回の犯人を当てるのはそんなに難しいことはで無いと思います。
ただし、トリックは別です。
特に「自転車パズル」はまだしも、最初の「密室パズル」については全く分かりませんでした。
解答が示されて「なるほど!そういうことか!」と思いつつも、
それってあり得るの??
という疑問は拭えなかったです。
ですけど、納得は十分出来ました。
ちなみに「モアイパズル」は解く気すらありませんでした。
本気で挑んでも絶対に解けなかったことでしょう。
そして「自殺パズル」については・・・是非ご自分の目で確かめてみてください。
ただ「自転車パズル」については解けてしまった・・・というかさほど難しくなかった感が自分としてはあって、ちょっとイマイチだったかも知れないです。
もう1段騙しにかかって欲しかったです。
謎解きもさることながら、大事なのはお話としても十分楽しめるということです。
冒頭にも述べましたがマリアの登場が物語を彩っています。
前作の『月光ゲーム』にもロマンスはありましたが、
それとはちょっと違った友情的なロマンスが自分には楽しめました。
勿論、今回も前作以上に名探偵・江神二郎の魅力も味わえます。
『孤島パズル』
★★★★☆/(4点)