アガサ次郎の推理日記

推理小説好き(初心者)です。主に読んだ本の感想を書き込んでいきます。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 / 東野圭吾

 

推理小説ではありません。

でもミステリーとして紹介されているときもあるのよね・・・。

 

それはさておき、本作は昨年末に読んだ作品です。

2023年を締めくくるのに、最後は心温まるような作品が良いと思って本作を選びました。

 

この作品に関しては先に映画を観ておりました。

 

こちらの映画が自分は好きで、何回か鑑賞しているのですが、原作は読んだことがありませんでした。

原作を読んでみると、映画と骨組みは同じなんですが肉付けが異なっていました。

現在と過去、あるいは過去からすれば現在と未来がお悩み相談を通じて繋がるというお話ですが、大まかに言えば幾つかのお悩み相談が映画版だとアレンジされています。

ただ

そのアレンジ自体は原作の良さを損なうものではなく、繋がりも良かったと個人的には思っています。

映画版は西田敏行さんの演技は言わずもながら、他のキャストの演技もなかなか良かったです。

アイドルが俳優、というだけで偏見を持ってはいけませんね。

ということで原作と映画を比較してみると尚更面白いかも知れません。

映画版の着地も好きでしたが、原作はもっと良かったです。

映画版はハートフルな終わり方になっていますが、原作はそうとは言い切れません。

でも、ナミヤさんのお悩みに対する回答が素晴らしいものになっていて、作品が輪になって閉じる感じがあって素晴らしいと思いました。

 

あと原作の方に関して言えば、一見感動的な締め方になっていても、自分はかなり懐疑的になってしまう話もありました。

これは東野圭吾が狙ってそうしているのか、自分が勝手にそう感じただけなのか気になるところです。

 

本作で2023年を締めることが出来て良かったです。

良い作品でした。

でもこれ、もう一か月以上も前に読んだ作品なんだよね。

時間の流れが速いなぁ。

 

 

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

★★★★☆ /  (4点)