1作目を読んだのが昨年の12月でしたかね。
どういう経緯で買ったのかよく覚えていません。
その1作目が正直微妙な面白さで、2作目を読む気は失せていました。
ところが最近になってドラマ化することを知り、それを機に読んでみることにしました。
1作目の内容をイマイチ思い出せないまま読み始めたのですが、登場人物の設定はバッチリ覚えていました。
設定は覚えていましたが、主人公二人の名前は全く覚えておらず、始まって少しはどっちがどっちだか認識にするのに手間取りました。
でも、本作は前作の印象と違って面白かったです。
形式は前作同様の短編集となっており、視点が倒理or氷雨or穿地のいずれかの語り口で進んで行きます。
本作はどの話も割と面白かったのですが、2話目の「時計にまつわるいくつかの嘘」と「穿地警部補、事件です」が特に気に入りました。
1話.「穴の開いた密室」
密室殺人かと思いきや、その真逆で死体の発見された部屋には壁に大きな穴が開いており、不可能担当の倒理の出番と思いきや不可解担当の氷雨の出番であった、という話。
珍しいタイプの事件ですが、何故大きな穴が開いているのか?
分かりそうで意外と分かりませんでした。
2話.「時計にまつわるいくつかの嘘」
今思うと裏設定がちょっと都合良すぎる気がしていますが、二転する話は面白かったです。
ただ登場人物が少ないので、直感で犯人が分かってしまいました。
根拠は無いので分かったとは言い切れないか。
3話.「穿地警部補、事件です」
この話はトリックどうのこうのではなく、犯人側の動機が面白かった。
警察内で上からの指示に歯向かおうとする穿地が描かれますが、どう着地するのかな~と思っていましたが、なるほどねという綺麗な着地でした。
4話.「消える少女追う少女」
この話も途中でオチが読めてしまいましたが、話としては面白かった。
トンネル内で消失した少女の謎が出てきますが、真相は呆気なかった。
某有名密室トリック作品を思い出しました。
5話.「最も間抜けな溺死体」
犯人の意外性ではこの作品が一番だったかも知れません。
でも、情景が浮かびにくくて個人的には印象に残らず。
6話.「ドアの鍵を開けるとき」
主要登場人物たちの過去を巡る話。
とある密室殺人未遂事件が。
被害者はなんと・・・。
これは某探偵役の推理と同様の推測で犯人が分かってしまった話。
本格ミステリーと言い切ってしまう自信はありませんが、どの話もしっかりミステリーにはなっていたと思います。
登場人物の名前からしてライトノベル感がありますが、まぁそれは否定できません。
逆に言えばポップで読み易いと言えるのかもしれません。
そこは前作と共通だと思います。
あと本筋とは逸れますが、本作のあとがきの書き方はなかなか面白かったです。
面白かったですけど、そこまでのインパクトを残した訳でもなく、結局中途半端な感想なのが正直なところです。
でも映像化には向いてる作品かも知れませんね。
ドラマ化がきっかけに本作が気になった方は、本作は短編集ということもありとても読み易い内容であることは請け合います。
それを面白いと思うかどうかは別の話ですが。
本作の著者の作品は他にも読みたい作品が何作もありますが、それらはまだ先延ばしにする予定です。
とか言っている内に他のも映像化しちゃいそう・・・。
『ノッキンオン・ロックドドア2』
★★★☆☆ / (3点)
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