どうでも良い事なのかも知れませんが、出版社によって翻訳の違いが当然あるように、タイトルも出版社によって異なりますよね。
自分はハヤカワ文庫以外でクリスティの作品を読んだことが無いので、自分の中では全てハヤカワ文庫版に準拠したタイトルとなっています。
本作のタイトルの原題は「Death on the Nile」ということですが、この原題の翻訳ですと『ナイルに死す』の方がしっくり来ます。
ただ、一般てきにはやはり〇〇殺人事件というタイトルにしたがりですよね。
オリエント急行なんかはそれも納得できるんですが、この作品に関してはどうなんでしょう。
ただ名探偵コナンの中でもコナン君が「ナイル殺人事件でポアロが飲んだワインだ」なんて事を言っていました。
この辺はただの好みの差ですかね。
もう一つどうでも良い事ですが、『鏡は横にひび割れて』が映画だと『クリスタル殺人事件』というタイトルになったんでしょうか。
映画は観てないので、観れば分かるのかな。
2017年公開の『オリエント急行殺人事件』の続編ということになっています。
いきなり原作ではオリエント急行に登場していたブークが、なんとナイルの方に登場してビックリしました。
(しかもキャラは殆ど別物)
この辺はクリスティファンなら嬉しいのかも?
原作をしている作品の実写映画化というと、どうしてもイメージに合う・合わないというのがまず一つの評価になるかと思いますが、今作はそれも微妙。
特に自分はサイモン・ドイルが合ってないような気がしてなりませんでした。
一方でジャッキーに関しては自分の中のイメージと近くてビックリしました。
その他のキャラはまぁこんなものでしょうか。
リネットは自分の中のイメージとかけ離れてはいましたが、まぁ全くの別作品と思えば気にならないくらいでした。
ただ原作では、あんな嫌味な部分あったかな・・・。
原作とは全くの別物だと分かっていても、どうしても自分の中で比較してしまいます。
何とか映画は映画として楽しもうと努力しましたが、実りませんでした。
そもそも原作を知らない人からしても、この映画って楽しめるのかどうか疑問でした。
前作の『オリエント急行殺人事件』も自分は全く好きではありませんでしたが、残念ながら今回もそうでした。
ポアロ物の映像作品はその他何作品かの映画を観たきりで、ドラマ版などはまだ観ていません。
ドラマ版はどうも評価が高いようですが、少なくとも映画に関しては一つも面白いと思ったことがありません。
ナイルに関しては他の作品と比較すれば個人的にそれ程思い入れが強い作品ではなかったため、映画も楽しめるかと期待していたのですが・・・。
一番気になったのはポアロそのものです。
「ペラペラ喋り過ぎじゃね?」という気がしてなりませんでした。
また灰色の脳細胞が本当に働いているのか、途中から何故か名探偵としての苦悩に重きが置かれてしまったように思えて、作風を損ねたように思います。
ブークは意外といい働きをしていて、そこは面白かったです。
ただ、原作を読み終わった後のような余韻に浸るが感じが全く感じられなかったのは、原作にさほど思い入れがない自分をもってしても、寂しい限りでした。
思い入れをさほど強くなくても、印象的にはかなり強いですからね。
ただまぁ、その辺の感想は個人差が当然あるでしょう。
それでも一番最後のシーンの必要性が自分にはやっぱり良く分かりません・・・。
また、映画の尺だとジャッキーの執着心がもの足りない感じがあったのが、もしかすると致命的だったのかも知れません。
最後に余談です。
今回は面白いと思えなかったですが、観終わった後考えてみました。
「もし映画化してくれるなら自分ならどの作品かな?」と。
そしてその答えが未だに出ません・・・。
『三幕の殺人』かなぁ。
映画としては地味ですかね。