久々のホームズシリーズとなってしまいました。
前回は『四人の署名』を読んだはずですが、それが個人的にはイマイチだったこともあって離れていました。
それでも本作だけは読まねば始まらないと思ってはいました。
何たって「THE 推理小説」と言える世界で最も有名な作品と言えるでしょうからね。
これは繰り返しの話になりますが、自分も中学生の頃にホームズシリーズは一通り読んだはずなんです。
なんですが、正直言って殆ど覚えていません。
それでも本作では「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「くちびるのねじれた男「まだらの紐」の四つは何となく覚えていました。
この四つはやっぱり面白かったですね。
(ちなみに「赤毛組合」は同時期に読み進めていた『世界推理短編傑作集1』の方で読んでいました)
いやいや、この四つに限らずこの短編集は相当面白かったです。
ホームズシリーズは長編より短編の方が面白い!
全12編も収録されていますが、全てが面白い。
これぞホームズ!という面白さと世界観が堪能できて、かつ読み易い。
推理的側面はちょっと弱かったりもしますが、それで退屈するということは全くない。
まさに入門編として打ってつけですね。
解説ではドイルの苦悩の話も出てきますが、自分も中学の頃にドイルの自伝を少しだけ読んでますし、気持ちはよく分かる気がします。
シャーロキアンの細かすぎる指摘もありますしね。
もし作者側の立場だったら「いちいちうるせぇんだよ!」と思ってしまうかも知れない(笑)
でも、それだけのマニアが出てくるのも頷けますし、コナン君のようにホームズに憧れる少年少女が出てくるのも本作を読むと納得できます。
だってホームズは頭脳明晰、行動力抜群、観察力鋭く、しかも肉体的強さもある。
更にワトソンという相棒もいる、最強の探偵コンサルタントですよね。
これは惚れるわ。
という訳で、作品一遍ずつ触れる感想ではありませんが、ホームズの魅力を再認識出来た素晴らしい一冊でした。
100年以上の月日を経ても、名作の輝きは失われることは無い。
その魅力を再認識出来ただけでも、個人的には収穫でした。
余談ですが、「劇場版 名探偵コナン」の作品で『ベイカー街の亡霊』という作品がありますが、あの中では何故かアイリーン・アドラーは「ホームズが唯一愛した女性」という認識になっていますが、それは何故なのでしょう?
★★★★★ / (5点)