アガサ次郎の推理日記

推理小説好き(初心者)です。主に読んだ本の感想を書き込んでいきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

虚無への供物 / 中井英夫

新装版 虚無への供物 上・下巻セット 作者:中井英夫 講談社 Amazon 日本三大奇書の一つにして、自分が読む最後の三大奇書になります。 思えばこの作品を知ったのは当ブログの最初の記事にもなっています、『月光ゲーム』(有栖川有栖=著)のおかげです。 『…

クラインの壺 / 岡嶋二人

クラインの壷 (講談社文庫) 作者:岡嶋二人 講談社 Amazon この本が1989年に書かれていたというのですから、まずそれが驚きです。 現実の世界からバーチャルの世界へ意識ごと転送されるワクワクと恐怖。 そして現実とバーチャル世界の曖昧な線引きに読んでい…

鳩の撃退法

www.youtube.com 原作未読です。 別の映画を観に行った時の予告が面白そうだったので観に行きました。 正直、自分には何が面白のかよく分からない映画でした。 予告編詐欺なのでは?と思ってしまうほどです。 何が現実で何が虚構なのか、その線引きがあやふ…

死仮面 / 横溝正史

死仮面 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫) 作者:横溝 正史 KADOKAWA Amazon 文庫版を探しましたが、既に絶版のようです。 頑張って探してたんですが、最初は『生ける死仮面』という作品がこの『死仮面』のことだと一瞬勘違いしてしまいました。 『死仮面』…

電波的な彼女~愚か者の選択~ / 片山憲太郎 (再読)

電波的な彼女 ~愚か者の選択~ (集英社スーパーダッシュ文庫) 作者:片山憲太郎 集英社 Amazon 電波的な彼女シリーズの第2作目にして、個人的には一番好きな作品です。 久々に読みましたが、やっぱり文句なしに面白かった! 電波的な彼女シリーズは1作目と…

青の数学 / 王城夕紀

青の数学(新潮文庫) 作者:王城夕紀 新潮社 Amazon 推理小説ではありません。 夏らしい小説が読みたくて手に取った本第2弾です。 本屋に陳列されていた「新潮文庫の100冊 2021」から悩んだ末に選んだのがこれです。 選んだ理由は昨年に観た以下の2点が大…

孤狼の血 LEVEL2

www.youtube.com このブログでは初めて取り上げる映画の話題です。 柚月裕子さんの原作の小説が映画化したものです。 とは言え自分は原作は読んでませんので、どれくらい原作に沿っているのかは分かりません。 調べたところ、今作はオリジナルストーリーにな…

夏を取り戻す / 岡崎琢磨

夏を取り戻す (創元推理文庫) 作者:岡崎 琢磨 東京創元社 Amazon この作品を読むか別の作品を読むかの二者択一で迷って、こちらを選んだんですが・・・。 個人的には今一つだったかな、と。 小学生が1人失踪しては数日すると帰ってくる、今度は別の小学生が…

八つ墓村 / 横溝正史

金田一耕助ファイル1 八つ墓村 (角川文庫) 作者:横溝 正史 KADOKAWA Amazon 自分が買った文庫は表紙が違うものでした。 でも、こっちの表紙の方が好きかもしれません。 金田一耕助シリーズの4作目です。 角川文庫のシリーズですとファイル1ということでシ…

フランス白粉の謎 / エラリー・クイーン

フランス白粉の謎【新訳版】 (創元推理文庫) 作者:エラリー・クイーン 東京創元社 Amazon 『ローマ帽子の謎』に続いて国内シリーズの2作目です。 読了後に色々とレビューを読んでみたんですが、全体的に評価がもう一つな感じでした。 でも、自分は『ローマ…

ドグラ・マグラ / 夢野久作

ドグラ・マグラ 作者:夢野 久作 Amazon キンドルの無料版です。 『黒死館殺人事件』に続き、日本三大奇書の2冊目も読破しました。 まずはネタバレなしの感想から。 『黒死館殺人事件』に比べると遥かに読みやすく、理解しやすい内容でした。 ただし、それ…

夜歩く / 横溝正史

金田一耕助ファイル7 夜歩く (角川文庫) 作者:横溝 正史 KADOKAWA Amazon Amazonのリンクを貼りつけてますが、kindle版だとこういう表紙のようです。 自分は文庫で買ってますので、表紙が違う物でした。 さて、刊行順でいきますとシリーズとしては3作目に…

どこよりも遠くにいる君へ / 阿部暁子

どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)作者:阿部 暁子集英社Amazon推理小説ではありません。夏になると夏っぽい小説が読みたくなります。 今回は、時間が無いときに本屋に行って選んだため、表紙だけで選んで買ってしまいました。 ジャケ買いで…

乗客ナンバー23の消失 / セバスチャン・フィツェック

乗客ナンバー23の消失 (文春文庫)作者:セバスチャン・フィツェック文藝春秋Amazonこれは大分前に衝動買いした一冊です。 帯に書いてある宮部みゆきさんの推薦文と、豪華客船を舞台としたスリラー物ということで興味を惹かれ、購入しました。事前に思い込んで…

ゼロ時間へ / アガサ・クリスティ

ゼロ時間へ (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,三川 基好 早川書房 Amazon この『ゼロ時間へ』を読むためにバトル警視ものを全て読もうと決めて、『チムニーズ館の秘密』、『七つの時計』、『殺人は容易だ』と読んできました。 (『ひらいたトラ…

月と六ペンス / サマセット・モーム

月と六ペンス (新潮文庫) 作者:サマセット モーム 新潮社 Amazon 推理小説ではありません。 でも、読むきっかけになったのは推理小説です。 このブログでも紹介したアガサ・クリスティの『五匹の豚』という作品の中で『月と六ペンス』の話が一瞬だけですが…

ローマ帽子の謎 / エラリー・クイーン

ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫) 作者:エラリー・クイーン 東京創元社 Amazon エラリー・クイーンの作品はバーナビー・ロス名義で出した悲劇四部作しかまだ読んだことがありませんでした。 いずれは国名シリーズも絶対読むとは決めていましたが、こ…

獄門島 / 横溝正史

金田一耕助ファイル3 獄門島 (角川文庫) 作者:横溝 正史 KADOKAWA Amazon ファイル3ですが、自分は刊行順に読んでるので『本陣殺人事件』に続いての2冊目の金田一耕助シリーズとなります。 この『獄門島』はずっと読みたいと思っていた1冊でした。 金田…

御手洗潔のダンス / 島田荘司

御手洗潔のダンス (講談社文庫) 作者:島田荘司 講談社 Amazon 御手洗潔シリーズの5作目です。 短編集はシリーズ2作目ですね。 前の短編集である『御手洗潔の挨拶』がすごく好きだったので、今作もかなり期待していました。 というか、御手洗潔シリーズは全…

電波的な彼女 / 片山憲太郎 (再読)

電波的な彼女 (集英社スーパーダッシュ文庫) 作者:片山憲太郎 集英社 Amazon 所謂ライトノベルと言われる作品です。 なので、本格ミステリーとは言えませんが広義の意味では十分ミステリー小説と言えると個人的には思います。 あなたが一番好きな本は何か?…

殺人は容易だ / アガサ・クリスティ

殺人は容易だ (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,高橋 豊 早川書房 Amazon タイトルにインパクトがあるので、ずっと気にはなっている作品でした。 今回ついにバトル警視物の『ゼロ時間へ』に至る過程で手を出しました。 バトル警視は確かに登場…

儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信

儚い羊たちの祝宴(新潮文庫) 作者:米澤 穂信 新潮社 Amazon 米澤穂信先生の本を読むのはこれが初めてです。 まず読み始めてすぐに思ったことは「何て読みやすいんだ!」ということ。 短編集ということもあるのでしょうが、スラスラ読めてしまいました。 そ…

本陣殺人事件 / 横溝正史

本陣殺人事件 (角川文庫) 作者:横溝 正史 KADOKAWA Amazon 初めての金田一耕助シリーズです。 自分は幸か不幸かドラマでも一度も金田一耕助シリーズは観てませんので、全く知らない状態で読み進められました。 読み終わってから気づいたんですが、どうやら…

僧正殺人事件 / S・S・ヴァン・ダイン

僧正殺人事件 ファイロ・ヴァンス・シリーズ 作者:S・S・ヴァン ダイン 東京創元社 Amazon 『グリーン家殺人事件』に続くヴァン・ダインです。 自分が調べた限りでは『僧正殺人事件』と『グリーン家殺人事件』がヴァン・ダインの作品の中でも特に評価が高…

黒死館殺人事件 / 小栗虫太郎

黒死館殺人事件 作者:小栗 虫太郎 Amazon 遂に日本三大奇書の一つである『黒死館殺人事件』を読破しました。 と言っても、半分も理解出来た気がしません。 偶然ですが、少し前にヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』を読了していたのが活きました。 『グ…

七つの時計 / アガサ・クリスティ

七つの時計 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 早川書房 Amazon ブログのタイトルにもしている通り、自分はアガサ・クリスティが好きです。 好きではありますが、まだ全てを読破したわけではありません。 ノン・シリーズ、トミー…

眠れない夜を抱いて

今日は坂井泉水さんの命日です。 去年、シアターライブを観てからすっかりZARDの虜となってしまいました。坂井さんの歌が日常に彩りをくれます。 嘘ではありません。好きになるのが遅かったですが、きっとあれから死ぬ時まで聞き続けると思います。「眠れな…

黄色い部屋の謎 / ガストン・ルルー

黄色い部屋の謎【新訳版】 (創元推理文庫) 作者:ガストン・ルルー 東京創元社 Amazon 初めに注意です。 この本の中でエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』とコナン・ドイルの『まだらの紐』について堂々とネタバレしております。 ご注意ください。 さ…

カラスの親指 / 道尾秀介

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) 作者:道尾秀介 発売日: 2012/10/18 メディア: Kindle版 映画の存在をもう何年も前に知っていましたが、映画はまだ観ておらず、原作も気になっていたので、『向日葵の咲かない夏』の口…

向日葵の咲かない夏 / 道尾秀介

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) 作者:道尾秀介 発売日: 2012/07/01 メディア: Kindle版 感想が難しい本です。 正直、自分には何が面白い本なのかよく分かりませんでした。 イヤミスということは知っていましたが、そこまでグロくも後味が悪いようにも思えま…